主題:ゼーベック効果による発電装置
副題1:ペルチェ素子による温度差発電
副題2:ゼーベック電池
最終更新日2013年9月25日
Last update 9,1,2000
株式会社レック制御
熱発電による非常用電源装置の開発。
<コンセプト>
燃えるものを燃やして電気を作り、充電し、必要に応じて電気を使用する。
↑ 概観 ↑ 水冷
↑
熱源(写真は撮影用に炭を使用) ↑
熱源はマキなどの木材でもOK
効率よく発電 燃やせる物ならなんでも発電可能
↑
発電した電気は、バッテリーに充電 ↑
交流変換(AC100V)
↑ コンセントにて家庭用機器が使用できます。
↑
40Wの蛍光灯も点灯します。昼間に充電しておいて夜間に使用することが可能。
その他、携帯電話の充電やテレビやラジオ、パソコンなどを作動させる電源として使用可能。
問い合わせ先
株式会社レック制御
大阪府岸和田市田治米町63
tel:0724−43−0845
e_mail: my@lec21.com
★ ペルチェ素子を使って、ゼーベック電池を作るホームページです。 ★
★ ダイレクトに「火」を使います。熱湯と氷水は使いません。特許出願中 ★
ペルチェ素子で発光ダイオード(LED)と電球を点灯させてみる。
★画面サイズは1024*768以上を推奨。 画像を豊富にしています。全ロードには2分程度かかります。
↓ペルチェ素子 ↓白色発光ダイオード5個と電球2個 ↓LED点灯
←電球も点灯するハイパワー。
ペルチェ素子は、パソコンのCPUクーラーなどの汎用品を使います。
この素子の裏と表の表面に温度差を与えると、
ペルチェ素子はゼーベック効果にて起電力が発生します。
この起電力を応用した物には古くから熱電対(サーモカップル)が知られていますが、
起電力は極めて微弱で、発光ダイオード(LED)1個ですらも作動できません。
今回は上記写真のように、十分な電力で発光させることに成功しました。
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ペルチェ素子について
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2種の半導体(N型とP型)の接合面を電流が流れると、
熱の発生または吸収が起こり、この現象をペルチェ効果といいます。
これはゼーベック効果の逆効果といえます。
N型からP型へ電流が流れるときに、
発生または吸収される熱量は電流に比例します。
したがって図の加熱面と冷却面に熱を与え温度勾配を作ると、
ゼーベック効果にて電流が発生するのです。
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@ペルチェ素子 S.I.S.製 T150−60−127型
を3個用意する。
A厚さ1.5mm、10cm角の銅板を2枚用意し、四隅と中央に3.2mmの穴を開ける。
サーミスタはアロンアルファで銅板に接着し、サーミスタの上には厚み1mm程度の紙を接着しておきます。
(紙と接する銅板が冷却側になります。また温度測定をしない場合は、サーミスタは不要です。)
シリコングリスをペルチェ素子に塗り、図のように並べ、もう1枚の銅板をかぶせて、3mmのネジ5本で固定します。
配線は、直列接続にします。
注意:下記B、Cから順序を考慮する。
B冷却側の銅板には、厚さ0.5mmの銅板を半田付けして、水が蓄えられるようにします。
C加熱面には、厚さ1mmのアルミ板で、スカートを付けます。
銅板には3mmでタップ穴を切り、アルミ板を図のように3mmのネジで取り付けます。
D出来上がり。
Eコールマンのバーナー(508A型)を用意する。 Fバーナーと製作した
ゼーベック電池 をセットする。
G白色発光ダイオード5個を適当なラグ板に半田付けし、ゼーベック電池
に配線する。
Hバーナーに100ccの専用ガソリンを入れ、点火します。 ↓コールマンのホワイトガソリン。
I炎が青白くなったらバルブを絞って、このくらいの微弱な炎にします。
ゼーベック電池
には水を入れ、火にかけます。 Jしばらくすると、白色発光ダイオード5個は、直視できない程に明るく輝きます。
この時の電圧と電流は3.8V280mAでした。
水はそのうち沸騰しますが、問題ありません。
ただし、水が蒸発してなくなってしまうと、熱破壊を起こすので注意が必要です。
火の強さは、最大、大、中、やや弱い中、小、微弱、と6段階に分けた場合、
「やや弱い中」までです。これ以上の火力を与えると壊れてしまいます。
「微弱」で十分発光し、
また燃料が満タンであれば6時間程度
炎が維持でき、発光ダイオードは点灯し続けます。
ゼーベック電池の寿命に関してはまだ正確なデータをつかんでいませんが、
「微弱」でトータル48時間
実験を行いましたが、全く衰えを生じていません。
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/ ゼーベック電池 /
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単に発光ダイオードを点灯させるだけでも十分に面白いのですが、
さらに高度な事をしてみましょう。
ゼーベック電池の各要素(電圧、電流、電力、積算電力、効率、加熱面の温度、冷却面の温度、稼動時間)を計測し、
実用性を考えてみます。
@私は、用途に応じた計測機器を作るのが得意で、これを事業にしています。 キーワードに戻る
↓今回は、電圧、電流、電力、積算電力、加熱面の温度、冷却面の温度、を計測する機器を製作してみました。
(電圧は0〜10V、電流は0〜2A、温度は20〜180℃、電力と積算電力は計算によります。)
実験用に作った物なので、あえて筐体には入れてません。
計測された情報は、RS232Cにてパソコンに伝送。 ↑DSUB9pinコネクタでパソコンに直結できる。
↑パソコン側は、計測ソフトにて受信された情報を加工して、表示と記録を行う。
(使用したパソコンは、IBM互換機P133MHz)
Aゼーベック電池とバーナーを脚立にセットし、配線を行う。
↑脚立は便利です。特にこうした実験には。
Bホワイトガソリンを正確に100cc計量して、バーナーに入れます。
←ホワイトガソリンは青く着色?してある。
Cバーナーに点火して実験開始です。
D計測ソフトについて。 キーワードに戻る
電圧:0.000〜9.999V 電流:0.0〜2000.0mA 電力:0.0〜19999.9mW 積算電力:0.0〜999999.9mWh
温度:20〜180℃
Memo1、2:実験状況のメモ用 設定:メモ内容の記憶
積算リセット:積算電力を0にリセット
170℃以上アラーム音:下部温度が170度以上でBEEP音
15分タイマーアラーム音:15分経過するとBEEP音
RST:15分タイマーのリセット
記録開始:電圧、電流、電力、積算電力、上部温度、下部温度、をCSV形式で1秒毎に保存
記録中断:保存の一時中断
記録終了:保存の決定
Eエクセルで実験結果を見る。 キーワードに戻る
CSV形式で保存できるので、エクセルで直接開いて加工できます。
この図は、電流・電力・積算電力をグラフ化した例です。
周期的な突出は、水を補給した時に生じています。
(冷却面の温度が急激に下がり、加熱面との温度差が大きくなった為)
100ccの燃料は、6000秒で使い切りました。
火力が「微弱」の時で電流280mAであったのに対して、
今回は火力を「小」で実験し、400mAを少し下回る程度です。
後半は火力が落ちてきて、330mA程度になっています。
電力は1500mW程度です。
積算電力は直線的に増加し、最終2480mWhです。
↑温度に関しては、常時
約60℃の差であることがわかります。
↑電圧は約4Vを維持しています。(開放電圧は約12V)
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壱号機の/ 効率 /
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燃焼エネルギーと効率について考えてみましょう。
今回燃料として使ったホワイトガソリンの標準燃焼熱のデータがわからなかったので、
探せたデータの中で最も近そうなベンゼンで換算してみます。
ベンゼン100gを燃やした時にでるエネルギーは、
ベンゼン(C6H6)の分子量は78.11g/molで、
標準燃焼熱ΔH^OC(g)は、−3301.5KJ/molなので、
100g/78.11gから、1.28molであることがわかり、
−3301.5KJ*1.28molで、4226KJになります。
これをカロリーに換算すると、1Kcal=4186.5Jなので、1009Kcalになり、
1Kcal=1KWh/860なので、
効率100%であれば、1.17KWhの電気が得られることになります。
今回の実験では2480mWhしか取り出せなかったので、
0.212%の効率。となります。(わずかに472分の1)
しかし考え方次第では、
試作のゼーベック電池としては、上出来なのかもしれません。
なぜならバーナーから出る熱はスカートの部分から逃げていますし、
素子も3枚しか使っていないので水の沸騰と蒸発もはやく、
熱損失は多く発生しています。
もし効率を1%にできたとすると、11.7Whになり、
これは電流に換算すると2.93A(電圧は4V)にもなります。
この次元になると、用途も見えてきます。
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/ 温度差 /
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ゼーベック電池に水を滴下し、強制的に冷却して見ましょう。
@空き瓶を脚立に吊り下げ、サイフォンの原理で水が出るようにします。 A水は、図のようにゼーベック電池上部に落ちます。
B熱せられた水は、同じくサイフォンの原理で下のカップに落ちます。
上部水槽に水が適量残るように、
2つの流量を調整(チューブをクリップで押さえて調整)します。
Cホワイトガソリンを100cc計量し、バーナーに入れ実験開始です。
Dエクセルで実験結果を見る。
↑温度に関しては、常時
約70℃の差であることがわかります。
↑電圧は約4.5Vを維持しています。
効率は前章から、
ホワイトガソリン100cc=1.17KWhとし、
今回は3120mWhが取り出せたので、
0.267%の効率。となりました。
前章は0.212%だったので26%向上したことになります。
しかし構造が複雑で水を3Lも使用した割には、
効率の向上はわずかで、実用的とはいえません。
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